●燃料ポンプ交換

 車は結局、燃料ポンプのアッセンブリー交換になった。

 素人の私ですら、帰宅してちょっとネットを検索したら、たぶんそうなることはすぐにわかった。

 どうして「原因不明」なんて言ったんだろう。メカニックと直接しゃべった時の口ぶりから推すと、彼自身はわかっていたような気がするのだが。
 「確定診断」できない限り、滅多なことは口にするなと教育されているのだろうか。

 燃料ポンプ交換なら、素人の勇者たちが自分でやったりしているぐらいの簡単なことだ。

 一時はどうなることかと思った。

 「原因不明」のカローラ店から修理できるディーラーへ移送するだけで、通常の相場だと5万円ぐらいかかりそうなのを後で知った。
 修理に関しても、「バラしてみないとわかりません」とか言われるし、期間や費用がどのぐらいになるのか、かなり心許なかった。
 そしてさらに、修理が終わったとしても、車ははるか青森にあるのだ。取りに行って帰ってくるだけでまた5万円ぐらいかかる。

 ディーラーの好意と保険会社のお蔭で、結局のところ、燃料ポンプと燃料フィルタの交換出費だけですみそうなのは、まあ幸運と言っていいだろう。車は自宅まで運んでもらい、費用は保険がカバーする。
 故障した場所も含め、不幸中の幸いとはまさにこのことかと思う。

 それにしても、修理代金全額が振り込まれたのを確認しないと部品も発注しないというディーラーの姿勢には驚いた。
 堅い商売というか、よほど私が信用できないのだろうか。車を人質に取っているというのに。

 購入店だったら、「後で振り込みます」と言って車に乗って帰ったことすらあったと思う(たぶん)。

 まあ、このまますべてうまくいけば、「いい経験をした」と思えそうである。

 旅が台無しになったことと7万弱の出費はかなり痛いけれど。