■信じられないものを頼りにするしかない不幸

 「もう、何を信じればいいのか」というような青臭い感傷はさすがに持たないものの、さすがにここまでひどいと、当事者でなくても体が震えるほどの怒りを感じる。
 当事者の気持ちはいかばかりだろう。

 先日、厚生労働省村木厚子元局長が無罪になった事件で、大阪地検特捜部の主任検事が押収資料を改竄したとして逮捕された。

 数多くの冤罪事件からも明白で、先日の無罪判決でも明らかになったとおり、警察や検察は「なかった」事実をでっち上げてでも逮捕・勾留・起訴して公判を維持しようとすることが(稀に(だと信じたい))ある。

 そんなことをして無実の人を無理矢理罰しようとしていったい何のメリットがあるのか理解に苦しむが、現実にはしばしば起こっているので、あるのだという事実は認めざるを得ない。

 それでも、押収した証拠資料を検事が改竄したとすれば、文字通り前代未聞だろう。
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 今回の事件に唯一救いがあるとすれば、いきなり最高検が登場して迅速に自浄作用を発揮しようとしてることだ。
 しかしそれも、臭いものに早く蓋をして、トカゲのしっぽ切りと組織の安泰をはかるためなのかと疑ってしまう。

 警察・検察・裁判所が信じられないのは、心の底から残念である。

 信じられないものを頼りにするしかないわれわれは不幸だ。