●縞模様のパジャマの少年

 ユダヤ強制収容所長であるナチスの親衛隊(SS)将校(髑髏部隊中佐)にも、良心的な母や妻、純真な子どもがいたりする。

 そして、いかに効率的にユダヤ人を「処理」するかに腐心している中佐本人も、家族を愛する子煩悩な父親でありうる。

 よく言われることかもしれないが、それをこれほど真正面から描いた映画はこれまでなかったのではないかと思う。

 設定やありえなさが瑕疵に見えない傑作。

(The Boy in the Striped Pyjamas, 2008 U.K., U.S.A.)