●アジア・ハイウェイ?
「AH1」と大書した四角い看板で、薄いグレー字に黒、雰囲気としてはアメリカにありそうな看板だ。
下部にはなんと「Asian Highway」と英語で書いてある。
それだけ。
中国自動車道の、岡山だの広島だのと書いてあるおなじみの緑の看板の下の方に取り付けられていた。
ハニカム構造の反射板になっている立派なものである。
アジアン・ハイウェイ???
週に2〜3度はそこを走っているのだが、こんな看板を目にするのは初めてだ。誰かのいたずらか、何かの冗談か、それにしては看板の作りが高級すぎる・・・
振り返りたくなるほど気になってしまって危ない。あの看板のせいで事故でも起こらなければいいんだけれど・・・
職場に着いて早速この話をすると、中の一人が、「それ、聞いたことがあります」と言い出した。なんでも、日本の高速道路の一部をアジア・ハイウェイにしている?のだそうである。
でも、なんで中国自動車道みたいなローカルな高速道路が No.1 なんだ? 青森から下関までが全部1号線だというのだろうか。
家に帰ってから調べてみて驚いた。
なんと、東京からではあるが、韓国・北朝鮮!・中国・ベトナム・カンボジア・タイ・ミャンマー!・バングラデシュ・インド・パキスタン・アフガニスタン!・イラン・トルコと、イスタンブールを越えてブルガリア国境のカピキュレというところまで、総延長2万キロを越える道路が全部1号線なのだ(もし抜かした国名があったらすみません)。
地図を見ると、ものすごいアジア・ハイウェイ網がある(かのように感じられる)。
それにしても、東京からトルコまで1号線を走りたいとして、北朝鮮とかミャンマーとかアフガニスタンとかは、すんなり通してくれるのだろうか?
それに、調べてみると、未開通区間が23km(迂回できるのだろうか)、不明!区間が405kmある(不明ってなんだよ?)
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まあいい。地図を眺めていると、久しぶりに、「ユーラシア大陸横断ドライブ」に誘われる感じがした。
もともと、私の人生設計では、35歳になったら仕事を辞めて、パジェロに乗ってユーラシア大陸を横断し、ヨーロッパまで行ってのんびりする予定であった。
実際には27歳で辞めてしまい、それから20年、いまだに果たしていない。
この際、35歳を65歳に切り替えてもいい。のんびり車でアジア・ハイウェイを走ってみたい。
問題は、それをたった一人でやるのかということである。35歳の旅行には付き合うといっていた(はずだが、今聞くと「そんなこと言ってたっけ?」という反応である)家人も、老後になるとかなり厳しいだろうと思われる。
まあ、先のことを考えていても仕方がない。折に触れ、アジア・ハイウェイの整備状況を眺めながら、ほんの小さな「見果てぬ楽しみ」にしておこう。