◆実は安心ではなかったカムリ

 この夏のカナダ旅行のとき、待たされた挙げ句に割り当てられた車がカムリで、

カナダにまで来てトヨタの車なんかに乗りたくない。

 「さんざん待たされてこれかよ」という落胆と、「でもまあ安心といえば安心だよな」という気分とが交錯した。

と書いた。

 ところが、そのカムリが実は安心ではなかったことが判明した。

 フロアマットがずれて?(まだ原因は不明らしい)アクセルが戻らなくなるばかりか、ブレーキも効かなくなり、猛スピードで衝突する事故を起こした事例があるため、カムリを含む複数の車種計380万台が北米でリコールされることになったという。

 以下の記事はレクサスだが、その恐ろしさはものすごい(asahi.comより)。

通信指令係「こちら緊急電話番号。どうしましたか」

通報者「アクセルが動かない。トラブルが発生した。ブレーキも利かない」

通信指令係「分かりました。車を止めることができないんですね」

通報者「交差点が迫っている。交差点が迫っている。つかまって。祈って……」

《中略》

 運転者は州警察の高速隊員で、妻と13歳の娘、親族の男性の3人が同乗していた。事故直前には、操縦不能の状態で、時速は120マイル(約190キロ)に達していたとみられる。そのまま交差点に突入し、他車と衝突して大破し炎上。この4人が亡くなったという。通報がなければ、原因は何一つ分からずじまいになった可能性がある。

 「欧米メディアによると、同様の不具合の報告は100件以上あ」るのだという。

 まあ、確率的に言えばたった100件だともいえるが、自分の乗ったカムリがそんなことにならなくて本当によかった。

 クルマにさまざまな危険が潜んでいるのはもちろんトヨタに限らない。日ごろからあらゆる危険性を想定して、危険な状態にならないように、なってしまったら冷静に対処できるように、せめて頭の中でシミュレーションしておきたい。