●チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙

 ゲバラに憧れを抱く世代ではない。ずっと下である。

 その事実にまず驚く。もはや、革命的世代?はおじいちゃんやおばあちゃんになりつつあるのだ。

 もっと若い人たちは、この映画をどういうものとして見てるんだろう? 織田信長とかナポレオンとかとは違うものとして認識されているのだろうか。

 いや、もはやゲバラも単なる「歴史上の人物」になってしまっているのではないかと思うのだ。カストロはまだ生きているというのに。
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 『モーターサイクル・ダイアリーズ』の続編として見た。続編というには(心理的)時間に断絶があるので、この間を埋める作品が欲しいようにも思う。
 3作品とも、ゲバラ自身の手になる原作があるのだが、間を埋める著作もあるのだろうか。
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 映画自体はいずれも地味で、見ようによってはドキュメンタリーとも言える。実話を元にしているのだから当然だろう。
 しかし、退屈することはなく、引き込まれていく。『別れの手紙』の方は息子も見たが、息子ですら同様であった。ソダーバーグの力か、ゲバラの力か。
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 「別れの手紙」は、遺書のようなもののことかと勝手に勘違いしていた。
 実際は、大臣の職を捨ててキューバを後にし、一革命家としてボリビアへ赴く際に、カストロや国民に向けたものであった。

 映画を見る者はほとんど、結末がどうなるかを知っている。

 それでもなお・・・

 「革命」が、時空を隔てた場所のできごとであっても。

(Che: The Argentine/Guerrilla, 2008 U.S.A., France, Spain)