◆村上春樹を読了

 本の話はほとんど書かないのだが、今日は久しぶりに書いてみよう。

 先日、村上春樹を読了した。

 などとこのタイミングで書くと、当然『1Q84』を読んだのかと誰もが思うわけだが、まだ買ってもいない。

 読んだのは、『走ることについて語るときに僕の語ること』である。
 あと、『ノルウェイの森』を読み返したりしている。

 こういうエントリを作るのって、わざとらしくてあれですね。申し訳ありません。
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 『走ること……』を今ごろ買って読むというのも何だかという気はするけれど、出る出ると言っているうちはずっと待っていたのに、なかなか出版されなかったのだ。
 そのうち忘れてしまって油断していたら、もう1年半前(2007.10)に出版されているのを先日発見した。

 手に入れたのは4刷で、それが初版の1刷から1か月後の日付である。そんな本が今ごろamazonで手に入るということは、あんまり売れてないんだろうと思う。

 今日、早くも上下巻で100万部を超えたという『1Q84』とはえらい違いである。

 だが、氏のエッセイは期待を裏切らない。まして、この本は、「村上春樹が、はじめて自分自身について真正面から綴った」(帯の宣伝文句から)本なのだ。

 まあ、まだ「父」は登場しないし、それまでのエッセイで陰に陽に明らかにされていたことも多いんだけど、それでもやはり、読み応えがあった。
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 『1Q84』の書評で、村上春樹が私生活をほとんど明らかにしていないとかいう論調が目立ったのだが、そんなことをいう人は、村上春樹以外の作家の私生活をどのぐらい知ってるんだろう?

 現在の村上春樹は、他の作家と比べればむしろ私生活がかなり明らかになっている方だと思うのだが。

 これ以上私生活を明らかにしている作家がそんなに多いとすれば、それはちょっと恐い。