★予行演習

 日曜日、仕事が山積しているからと渋る家人を連れて、ひと日、東近江に遊んだ。

 目的地は五箇荘市町村合併で今は東近江市ということになっているそうだ。
 近江商人の屋敷などが残る街並みがあるという。

 なるほど、ごく狭い範囲ではあるが、往時を偲ばせる建物が残っている。

 一応は観光地のようであるが、店らしき店は2軒のうどん(&そば)屋と1軒のお土産屋兼喫茶店のみ。
 中を覗いて入りたいと思った、おはぎなどを食べられる茶店は、行楽シーズンの日曜日だというのに閉まっていた。
 おそらくはもうやっていないのだろう。それとも、ゴールデンウィークだけ開いたりするのだろうか。

 観光客は全部で20人ぐらいかという風情。時間がゆったりと流れる別世界である。

 風も強く寒かったし、春らしい花にも乏しかったが、しばし世俗の憂さを忘れることもできた(行き帰りの車の中は憂さばかりだったけれど)。

 珍しく、息子が一緒に行かないというので、夫婦ふたりで出かけた。さすがの息子も高二になると、今後こういうことが増えるかもしれない。

 まだまだ早いが、何だか老後の予行演習をしているような気分になった。