★野尻湖「国際村」

 午後1時まで、野尻湖畔の「象の小道」で鳥見。

 いきなり混群に出くわし、アオゲラまで出た(私は見逃した)ときは、この先にどんな素晴らしい出会いが待っているのかと期待したが、ほとんどそれきりであった。
 終点近くでキビタキをちらっと見たのみ。

 鳥見をするとき、どちらかというと同じ場所に腰を落ち着けるタイプと、どんどん違う場所へ移動するタイプの人がいる。私は圧倒的に後者だ。

 家人と息子は中間ぐらいなので、私だけはるか先まで進む。最初のころの分かれ道(白樺の木で作った人形が道の真ん中に置いてあった)以外は一本道なので、安心してずんずん歩いていく。

 鳥との出会いはない。

 それでも素晴らしい道である。すぐ北側に湖を見下ろす森の中のトレイルで、大きなアップダウンもなく、気持ちよく散策できる。湖上から聞こえてくるさまざまなエンジン音さえなければ、ほとんど完璧な小道である。
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 とにかく、今よりももっと素晴らしい何かがこの先にある・・・・・ そういう思いはほぼ常に裏切られるのだが、それでも期待に突き動かされて前へ前へと進んでしまう。
 あまりにも鳥がいないので、いつの間にやら速歩で森を駆け抜けるウォーキングのようになってしまった。

 何も素晴らしいことがないならないでかまわない。しかし、とにかく終わりまで見届けたいのである。

 途中、いくらなんでも心配しているかと思い、だめもとで携帯を取り出してみる。なんと、立派にアンテナが立ち、家人に連絡を取ることができた。すぐ左下が何もない湖、いるのは森の中だ。こんなところで携帯が通じるなんて、どうなっているんだろう? しかもソフトバンクなのだ ^^;

 終点から引き返して家族と合流、そのまま車を駐めた入り口へと、今度は一緒に戻る。未知の何かが待っていない、すでに経験した経路なら、先を急ぐ必要もない。

 戻った入り口ではカケスに出会う。
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 昼食を取るために湖畔の道を車で走っていると、ちょっと目を疑う風景に出くわした。バカンスシーズンのフランスの、湖畔の別荘地みたいに見える。
 景色と建物が、ではない。目に入る限りの人が皆、バカンス真っ盛りという感じの白人なのだ。

 幸い私が通過した後だったが、幼い女の子が道路に飛び出しそうになり、母親らしき女性の No, No, No ! という声が響き渡る。

 ここはどこ? これはなぜ? といういくつもの?が頭を舞う。日本でこんな風景を見たのは初めてだ。

 ホテルに帰ってから調べると、国際村と呼ばれている地域らしい。何でも、「大正から昭和初期にカナダ人宣教師のダニエル・ノルマンによって、野尻湖に外国人の為の保養地として別荘地を開村したのが始まり」なのだそうである。

 それにしても、そんなものが現在まで続いているなんて・・・ この人たち、ふだんはどこに住んでいて、どんな仕事をしているんだろう?
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 昼食後、「野尻湖ナウマン象博物館」。

 ちょうど私が幼いころ、やたらに盛り上がっていた記憶があるのだが、あれは本格的に発掘調査が始まって、成果が出始めていたころだったかららしい。今20代ぐらいの人たちは、「野尻湖ナウマン象」などと言ってもピンと来ないかもしれない。

 博物館を出るころから、例によって雨。ほどなく大雨になる。

 コンビニで夕食と朝食とスイカ仕入れてホテルへ帰り、昼寝、ブログ、夕食、トランプ、グレート・ギャツビー、風呂、トランプ、ブログ。

 もう真夜中だ。おやすみなさい。