◆40分待ち?

 近所のコンビニにて。

 フライドチキンのあるべき場所がからっぽである。

 「あのぅ、すみません。フライドチキン、ありますか」
 「いやぁ、待ってもうたらできるんやけど・・・」

 なんだか売りたくなさそうである。店は空いている。店員も他に1人。

 「じゃあ、お願いできますか」
 「うーん、いくつ?」
 「2つお願いします」
 「時間かかるけど、いいですか」
 「えっと、どのくらい?」
 「そうやなぁ、ちょっとまってね(壁に貼った表を見る)」
 「ええっと、35、いや、40・・・」

 まさか40分待てということはあるまい。40分になったら配送されて来るのかな、とちらっと考える。だが後で時計を見ると、2時50分過ぎであった。

 「そうやね、40秒ぐらい」
 「40秒?? えっ? あ、じゃあ、お願いします」

 客である私はTシャツを着た子連れの男である。時は土曜の昼下がりだ。40秒が待てないわけがない。

 「2つやね」
 「はい」

 実際、2分は待たなかった。店内をぶらぶらしていればすぐであった。おそらく、袋から出してレンジで35秒暖めて売るだけなんだろう。

 あのおばちゃんの態度はどうしてなのかと思う。単に面倒なことはしたくなかったのか、それとも「少々お待ちください」では1分を待てない客が多すぎるのか。