★バードウォッチング顛末

 バードウォッチングは結局、集合場所である駅前の公衆トイレに入っていて1人だけ遅れて出発するところから始まった。

 予想していたことなので息子は先に行かせていたが、その息子が最初の別れ道で待っていたのは偉かった。まだまだ幼くて、そういう配慮ができるほどには成長していないような奴なのだ。

 とりあえず団体に遅れずに山道を登っていったが、最初の広場で観念して帰宅することにした。

 頼りない息子にさまざま言い含め、携帯電話とお金を持たせて、解散場所まで迎えに来てやるからと、残りは1人で参加させる。
 「一緒に帰る」と言わなかったのは彼としては上出来だ。

 家に帰っても時折襲う腹痛は相変わらずである。

 ひそかに計画していた、「1人で家に帰ってこい作戦」に出ることにした。別れるときにそんなことを言えば、ちゃんと帰れるかどうか不安になって鳥見どころではなくなるのが息子だ。なので、そういう可能性があることは伏せておいたのである。

 「かわいい子には旅をさせよ」という。ぜんぜん大した旅ではないのだが、乗ったことのないルートだし3回乗り換えることになる。まあ、初心者としてはそんなもんだろう。5年ぐらい遅い気もするけど。

 結局、母親に何度か指示を仰ぎながら無事帰ってきた。

 お世話になった皆様、ありがとうございました。