★4年間で自家用免許(続報)

 やっぱり・・・というべきか。

 なんと「4年間の学費は約1150万円」(sankei.co.jp)だという。大学卒業+自家用操縦士でこの費用。

 「大学側は「実習での海外留学の滞在費などが不要なので、高くない」とみている」(同)というが、どう見ても高い。

 普通の私立大学(工学系)を卒業するのに必要な学費は600万しないだろう。国立なら250万以下だ。ならば、普通の大学に行けばよい。
 アメリカあたりで免許を取るのには、どんなに多く見積もっても300万はかからない。200万以下が普通だろう。

 200万だとすると、差額は350万〜700万である。国立大の工学部に行って自分で免許を取れば、700万円浮くのだ。

 「法政大は「渡航費や外国で取得したライセンスを書き換える手間などが省ける」とメリットを説明している」(jiji.com)

 というが、上に書いた免許取得費には渡航費や滞在費も含んでいる。今どき、アメリカを往復して2〜3か月過ごすのに何百万円もかかるわけがない。

 「ライセンスを書き換える手間」とは良く言ったものだ。確かに、日本のお役所仕事のせい?で切替に2〜3か月かかったりするが、それは役所が無為に?費やす時間だけの問題で、こちらの手間としては1日もかからない。費用に換算すれば1万円ほどのことだろう。

 それに下のエントリで述べたとおり、その気があれば遅くとも2年の夏休みには免許取得が終わっているわけだから、2〜3か月の時間など問題にならない。

 いずれにせよ、ほんとに職業パイロットを目指すなら、自分で免許を取ることなど考えず、航空大学校への進学を目指して大学に入ってから対策を立てるべきだろう(航空大学校への入学資格は、高専・短大または大学2年終了)。
 あるいは四年制大学を卒業してから航空各社の自社養成にトライするべきである(こちらは相当難しいとは思うが)。
 自衛隊海上保安庁という手もある。

 まあ、難関の?航空大学校を諦めた(る)人たちの受け皿としてなら理解できなくもない。不思議なのは、法政大がどうして、4年間で事業用免許取得までうたわないのかということだ。先発の東海大は事業用取得が前提だというのに。
 自家用操縦士の免許など取っても、趣味以外の意味はほぼ皆無である。

 それに、職業パイロットになるには多発と計器飛行証明も必要なのだが、「4年間で自家用」なんて言っている大学が、大学院2年間で「事業用・多発・計器」の3点セットをほんとに揃えてくれるのだろうか。修士論文書きながら?
 あ、まさか、博士後期課程を終了すれば揃う、とかいうのかな? だとすると、ぜんぶで9年間訓練して、博士パイロットの誕生ということになるのだろうか。
(後記:これはまさに「あ、まさか」でした。失礼しました。法政大学のプレスリリースによると、大学院の2年間で3点セットを取るよう構想しているようです(大学院時点でまだ「単発」の字が残っているのは気になりますが)。しかし、だとすると、その2年間で新たに1千数百万円はかかることが予想されます。)

 うーむ。法政大学の意図は那辺にあるのだろう?