■双眼狂

 ここにときどき、「欲しいものがない」と書いている。実際、ほとんどない。

 いや、フェラーリとかポルシェとか、ジェット機とか大邸宅とかは欲しい。だが、そういう現実味のないものを除くと、ほとんどないのだ。

 若くて綺麗で性格のいい恋人とかならもちろん欲しいが、少なくともポルシェ以上に縁がない。

 そんな中、たまあに、思い出したように欲しくなるのは、自転車と双眼鏡ぐらいだ。

 また病気が出て、新しい双眼鏡を買ってしまった。これで10個目ぐらいになる。世間から見ると異常かもしれないが、まだまだ入口だ。それに、理性的なので(笑)無闇なことをする気遣いもない。
 いまだにツァイスもライカもスワロフスキも持っていないし、大人になってから2年に1つぐらいなのだから可愛いものである。1万円しないようなものも含まれてるし。

 何でもそうかもしれないが、双眼鏡も用途別にいろいろ必要なのだ。現状ではまだ、フルカバーしてないし、家族だって3人いる・・・

 今回買ったのは、常時携帯用の低倍率(5倍)小型。もともとは、バードウォッチングの時に、肉眼の延長として広い視野を見、鳥を発見するためとか理屈をつけて探し始めたのだが、そんなことはどこかへ行ってしまって、「欲しい」が先行するようになってしまった。

 実際、実視界9度で見掛け視界45度程度では、そんな用途には適さないようだ。それに、細かい欠点もいくつかある双眼鏡である。

 だが、(たぶん)双眼鏡唯一であるチタンボディのしっかりした作りと高級感は持つ喜びを感じさせてくれる。やはり、身の回りには気に入ったものを置いておきたい。

 それにしても、みんながもっと双眼鏡に興味を持ってくれれば、デジカメみたいにどんどん進化して価格も下がるのに、と残念だ。

 今回買った双眼鏡の製造番号は 030092。まさか、発売から11年も経って、92台しか売れなかったんじゃないだろうな。3万台も売れたとはとても思えないんだけど。

(こんな世の中で11年もモデルチェンジなし。考えられますか?)