■着物姿なき元日

 近くの神社に初詣でに出かけた。初詣でなんて何年ぶりだろう? 10年ぐらいにはなるかな・・・

 歴史は古いらしいが、特に何ということもない神社。しかし、本殿に参るまで30分も並ぶことになった。行列の見た目はもっと長い。

 その長い行列の中に、着物姿の女の人をついぞ見かけなかった。厳密にいうと、3人ほど見かけたのだが、うち2人は幼女である。大人(顔を見なかったので少女かもしれない)はたった1人だけだった。

 何だかんだ言っても1月1日である。それでもほとんどの人、いやもう、すべての人と言っていいぐらいの人が普段着だ。もちろん、私たちもそうである。

 着物的な文化だの伝統だのに自分はどちらかといえば冷淡だと思っていたが、何のことはない、ごくふつうなだけだということがよくわかった。
 もう10年前になるかもしれないが、前回の初詣では着物姿は決して珍しくなかったのに・・・

 それでも正月の田舎神社に長い行列はできる。伝統文化は形を変えながらも脈々と息づいているということなのだろうか。