◆高卒資格のない大学生

 高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を受験した人たちのことではない。

 にわかに問題になっている(かに見える)、世界史未履修の大学生たちのことだ。1994年以降、学習指導要領は高校における世界史の履修を必修にしており、履修しないで高校を卒業することはできない。

 にもかかわらず、現実に、世界史を履修していない大学生がたくさんいる。まったく履修していない者、履修した「ことになっている」者などさまざまらしい。
 大学受験科目に必要ないことが多いからと、学校の判断で勝手にいろいろな操作をしているという。生徒に罪はないのだろうが、彼らに高卒資格はないことになる。もちろん、大学入学資格もない。

 まあ、実際には、「被害者」の生徒たちが資格を問われることはないだろう。可哀想なのは、「受験に関係ない」世界史の授業をこれから受けさせられる現役の高3生だ。
 富山県立高岡南高校の場合は、「土日や冬休みに世界史の補習をする」とか言っているらしいが、そんなことをしていたら受験どころではなくなってしまう。何しろ、50分の授業が70コマ!必要だというのだ。

 同校の場合は学校の「ミス」らしいが、以前から確信犯の学校も多く、新聞の地方版等では何度か取り上げられていたという。にもかかわらず、教委から総理まで、みんな「寝耳に水」のごときコメント。

 やはりここでも、情報が入ってこない事実は存在しないのと同じなのだ・・・