◆幻のサンコウチョウ

 何種類か幻の鳥がいる。見たような見てないような鳥、声だけは聞くが姿を表さない鳥、はっきり見たつもりなのに同定できない鳥・・・などだ。

 見たような見てないような鳥の代表はアオバト。飛んでいるのは確かに見た。信頼できる人がアオバトだと口々に言っていた。が、見たときには遠くて逆光。自分自身ではそうだと確信できない。そんなに珍しい鳥でもないのに、振られ続けている。

 声だけは聞くが姿を現さないのはツツドリ。相当なベテランでも姿を見たことのない人は多いという。木の洞を叩いたような神秘的な深い響きの鳴き声自体は、何度も聞いたことがあるのだが。
 もうひとつ、サンコウチョウがこれに加わった。以前、「来ない野鳥を待ちながら」で書いた鳥だ。あの時は、声も聞けなかったが、先日は何度も聞けた。いい声だ。

 山の中にはやはりというか、サンコウチョウを待って1日粘っているような人がいて尊敬させられるようなあきれるような・・・

 まあ、(たぶん)先は長い。のんびり気長にチャンスを待とうと思う。