★アメリカの良心

 狂牛病(BSE)対策のためには、全頭検査をした方がよい。

 そうは思っているものの、素人の浅はかさ、何の根拠もない。「安心したい」というわがままな欲望があるのみだ。いや、真面目に言えば、食品の安全性や人々の健康より金儲けを優先する、各国政府や企業が信用できないからだ。

 とはいえ、いかんせん素人なので、そういう金儲け中心主義の人たちからいろいろ言われると弱気になる。いわゆる「専門家」を登場させてこちらを折伏!?しようとするのだから始末が悪い。
 何せ、彼らは金がかかっているのだ。真剣である。こちらは、しょせん、何か起こるまでは半ば人ごとだから弱い。

 こういうときに、良心的なほんものの専門家の存在は本当にありがたい。ノーベル賞を受賞した人がみんな立派な人だとはもちろん限らないが、↓この受賞者↓は、少なくとも、御用学者ではないに違いない。

 狂牛病(BSE)などの原因とされる異常プリオンの発見者で、1997年にノーベル医学・生理学賞を受けたカリフォルニア大のスタンリー・プルシナー教授が、「何カ月以下は異常プリオンがないとはいえない。検査対象を月齢で区切ることには合理的な説明がつかない」ので、「合理的な検査方法は全頭検査だと思う。消費者は全頭検査を主張すべきだ」と呼びかけたという(asahi.comより要約)。

 アメリカの食肉業界の圧力に負けて全頭検査をやめ、月齢で区切った若い牛を検査をせずに輸入再開しようとしている日本政府への、当のアメリカの良心からの痛烈な皮肉に聞こえる。

 なにしろ、異常プリオンの発見者でノーベル賞受賞者が言っているんだから、これほどの専門家はいない。われわれ消費者は安心して、

 これからも全頭検査を! と訴えてよいのだ。