◆50対2、40対0?

 自然災害が続く。こないだ台風23号が大きな被害をもたらしたと思ったら、今度は新潟中越地震だ。だが、後者の報道が溢れる余り、前者の存在が霞んでしまった。

 台風23号による死者行方不明者は、10月26日の朝刊の時点で、計91人に達する。これは中越地震のざっと3倍である。
 もちろん、その数だけが重要なのではない。被害の大きさ、避難している人の多さ、回復の困難さを考えれば、地震の報道が大きくなるのは当然であろう。それにしても、である。
 今日の夜7時からのNHKの全国ニュースでは、地震に当てた時間が約50分。台風23号に関しては、たった2分ほどだった。兵庫県北部だって、事態は一向に好転していない。それなのにこれは、ちょっと、いくらなんでも、という数字である。
(「報道ステーション」では、地震のニュースの後はアメリカの大統領選挙になった。もしかすると、40対0になるかもしれない。)

 新潟の後、兵庫県豊岡市)を訪問する予定だった小泉首相も、天候の悪化によって新潟での日程が延びたためか、訪問を取りやめてしまった。もちろん、新潟への支援を軽んじていいものではないが、兵庫県京都府の北部も、その他の地域のことも忘れてほしくないと思う。

 朝日新聞の夕刊には、「「豊岡も深刻 忘れないで」視察延期で住民ら」という見出しの記事がある。が、大阪本社版であるにもかかわらず、なんとベタ記事だ。

 マスコミもわれわれも熱しやすく冷めやすい。そういえば、三宅島はどうなっているんだろう?