◆♪今は、もう秋・・・

 また暑くなった。午後も1時半になってから、息子が「海へ行って魚を捕りたい」という。なんという気紛れな奴だ。いくら何でも、今から日本海は無理だ。しかし、確かに、もし海に入るとすれば、今シーズン最後のチャンスかもしれない。急いで準備をして、車を和歌山へ走らせる。以前も書いたが、インターを降りるまでなら1時間もかからない。

 以前から気になっていた磯ノ浦へ。しかし、これが史上最低のお出かけの一つとなった。ネットで見ると、「海水浴場で磯遊びもできる」というふれこみだったのだが、完全なサーファーズパラダイスである。この夏のフランスよりも異国情緒の味わえる、異文化の集積地であった。「異様な雰囲気やね」と妻。確かに。
 サーファーの数は200〜300人といったところか。そんなにいないかな。ともかく、「ぶつかって危ないやろ」というほどの人数がひしめきあっている。「♪誰もいない海」どころか、ものすごい賑わいだ。それにしても、今、サーフィンってこんなにはやってるんですか? 20年ぐらい前には確かに流行していたけれど。

 これほどのサーファーを集めているのだから、当然、波は非常に荒い。海は泥色。そして、延々と砂浜が続き、磯などどこにもありそうにない。波が荒くて海には入れない、入っても汚い、もちろん魚など捕れるはずもない・・・

 それでも、延々浜の端まで歩き、あるかなきかの磯に行く。ものすごい量のゴミが打ち上げられている。ゴミに邪魔されて、潮が満ちてくると引き返せない可能性もある。息子に潮の満ち引きを教えながら、石の上を歩く。「もうこれはどうしようもないな、最低のお出かけ決定か」と思っていると、息子がひょいと裏返した石の下にカニがいた。嬉々として網をかぶせる息子。最初の2匹は私が捕まえ、最後の1匹は息子が捕まえた。これで少しは納得するだろう。引き返すことにする。何度か潮をかぶったし、ぐずぐずしていると戻れなくなる。

 カニは飼うことにした。帰りに近くの加太(なぜか波がすごく穏やかだ)の淡島神社にも寄り、かろうじて最低のお出かけを免れることができた。

 夕食は、関西空港近くの「りんくうプレミアム・アウトレット」に行ってイタリアンを食べる。まずまずおいしい。物販の店は8時で閉まってしまうようだが、いいものが安いという噂は本当のようだ。また今度行ってみよう。ほとんど欲しいものはないんだけれど。