■Wind Calm その3

anotherairport すぐ近くの別の空港上空を経て、湖へ向かう。湖上が訓練空域だ。
 最初は旋回訓練。正面の山を目標にして、360°旋回する。1周回ったらまた最初の山が正面に来る。バンク30°の通常旋回。地平線が嘘のように綺麗に真横に流れていく。なんだか回り舞台を見ているようだ。左旋回2回、右旋回2回、難なくクリア。オレって、こんなに操縦うまかったっけ?
 次に苦手な急旋回。バンク45°で同じく360°の水平旋回。何度やっても、ちょっと平衡感覚がおかしくなる。放っておくと機体が下を向いて高度が下がってしまうので操縦桿を引くのだが、今度は機種が上を向き、下がったり上がったりと、「回り舞台」にならないのが常である。それが・・・
 南カリフォルニアの山々は、目の前で45°の角をなし、その姿のまま、綺麗に横に流れていくではないか。もちろん、操縦桿は引いている。しかし、修正作業がほとんど必要ない。

 Wind Calm... 安定した大気・・・ 後でわかったことだが、夏のその時期、ここ南カリフォルニアは、午前中、いつもこうなのだった。(つづく)