■気に入っていたのに

 過日、家人と一泊旅行に行った際、気紛れで買ったシリコン鉱石。わりと大事にしていたつもりだったのだが、さっき、玄関の三和土(といってもタイル張り)に落として割ってしまった。

 一週間の信州・東北一人旅から帰ってきたその日の午後に庭の草引きをして、さらに玄関周りの掃除をしていた(珍しく)働き者の私に、なんの罰を与える必要があるのか。

 落とすといけないと思って肩の上に載せずに胸ポケットに入れていたのが災いした。かがんだときに落ちたので、ものの数十センチだと思うのだが、みごとに三つに割れて小さな破片も飛び散った。

 ほとんど純粋なケイ素だということなので、昔習った劈開面というのか、スパッと割れている。
 ひとつの切っ先は、針の先くらい鋭い。

 見た目も触り心地も金属なので、こういう割れ方をするイメージがなかった。割れてみると、やはりというか石である。

 それにしても、こんなに脆いとは。モース硬度は7なのに。

 まあ何千円(しかも前半)というお金だけのことなのだが、気に入っていただけにちょっとショックだ。

 いや、さすがにもう一度買おうとは思わないので、お金だけのことではないか・・・とも思ったが、それでもやはり買えばすむことなので結局はお金だけのことである。

 一応、アロンアルフアでくっつけてみたが、どうなるだろう。「シリコン樹脂」は接着できないとあるのだが、樹脂ではなくシリコン(ケイ素)そのものである。

 コニシや東亞合成のサイトを見ても、まさかシリコンをくっつけようと試みる奴がいるとは思わなかったのか、つくともつかないとも表示がない。

 いずれにせよ、何ごともなく無事帰ってきた私の身代わりになってくれたと思うことにしよう。

 あれ? 妙に信心深いなあ・・・