★衣服の機能

 ブログにファッションとか衣服とかいうカテゴリがない。そのことに今まで気づかなかったことがすべてを物語っている(と思ったが、以前にもないことに言及していた・・・)。

 衣服にほとんど興味がない。

 まあ、できれば見苦しくなく清潔でありたいとは思うものの、それ以上を目指したいとは思わない。
 そう考えていても(さすがに不潔ではないはずだが)見苦しいことはあるかもしれない。ふつう、人の着ているものにどうこう言うことはほとんどないのでわからないが、一度、気のおけない仕事仲間の女性から「上はともかく、ズボンを何とかせなあかんわ」と言われたことがある。それ以来、一応は気にしているつもりだ。

 そんな感じなので、衣服にお金をかけるということはまずない。最近買うカッターシャツやズボンは基本1000円未満である。
 もちろん、さすがにどうしようもない安物を買うわけではない。ときどき行く紳士服量販店?に、6000円とか8000円とかの売れ残りの一部が1000円未満(980円とか)でよく出ているのだ。その中から、気に入った(というより許せる)デザインや色や柄のものがあるときに買うことにしている。
 実際、1000円未満で売っているのと同じものが、6800円とか7800円とかでたくさん並んでいるので、それ用に作っているような商品ではない。通常ならバーゲンで半額とかになりそうなのが、1/7とかで売っているのである。見たところ、生地も縫製も(高い方の)値段なりで、とくに粗悪な品ではない。

 衣服に入るのかどうかわからないが、靴などは例外である。
 これは機能が大きく物を言うので、安物は買わない。まあしかし、たとえば7800円のスニーカーが1000円で売っていることはないので買わないだけのことかもしれない。
 それにしても、靴なら1万5千円くらいまでならふつうに出すことがある。たまにはもっと高い靴も買う。クルマやバイクやカメラや双眼鏡のように・・・というと大袈裟だが、靴は機能が重要なので、極端に安いものには手を出せない。
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 私はこれまで、衣服の機能というのを見くびっていた。
 確かに、1万8千円のドレスシャツも私の980円のシャツも、それほど機能に違いはないと思う(あったら教えてください)。
 だが、機能の高い衣服というのは歴然とあり、高機能を買うと高いのだということを、今冬、驚きとともに実感した。

 これまでも、ゴアテックスのカッパとか上着とかは買ったことがある。確かに高かった。しかし、その機能に感動するところまでには至っていなかった。
 なんとなれば、カッパなんて雨を通さなくて当たり前で、浸みてきたのでは失格である。また、30年以上前、最初に自分で吟味した買った上着やカッパがゴアテックスだったので、「蒸れると不快」という感覚もわかりにくい。つまり、ゴアテックスの高機能がふつうだと思っていた。

 一方、防寒に対しては、「結局は寒いもの」という諦観があった。スキーをしていたので、最初にブームになったころのダウンベストとかも知っているが、結局のところ、寒い分だけ重ね着で対処して、それでもやっぱりゲレンデでは凍える・・・というのがふつうだと思っていた。

 長くなった。

 要するに、(私にとっては)途轍もなく高価な冬用のバイクウェアを買ったところ、驚くほど寒くなかったのである。ダウンジャケット?をインナーとして着用することで保温に配慮し、上から防風・防雨性能の高いジャケットを着るようになっていて、有無を言わさないセットで売っている。店の人に「セーターは要りません」と言われて半信半疑だったのだが・・・

 先日、実家からの帰り、マイナス1℃の六甲山上をバイクで走っても寒くなかった。さすがにこの温度だと快適とは言えないが、3℃とか5℃とかだと、そこそこ快適に走れるのがすごい。
 昨日も、1℃とかの夜の山中を走ってきたが、特に問題はない。昼間はけっこう見かけたバイクも、夜になると一台も(ほんとにただの一台も)見なかった。夜になってから百数十km走ったのだが、ほかの人が走っていないのは、やっぱり寒いからが一番の理由だろうと思う。
 みんながこの服を買えばもっと走るようになるのではないだろうか。

 昨シーズンの給油回数は12月から2月まで毎月1回ずつの3回だけであった。10月末の奈良・三重山中で震え上がった後は、スキーウェアを着て走っていたにもかかわらず、やっぱり寒かったから乗らなくなっていたのだろう。
 ところが、今シーズンは12月始めにウェアを購入してから、昨日までのたった1か月足らずでなんと7回の給油を数えている。寒くさえなければ、暑いときよりむしろ快適なのだが、ちょっと走りすぎだ。
 タイヤが替わって気持ちよくなったせいもあるが、それにしても・・・

 清水の舞台とは言わないが、うちのテラスから飛び降りるくらいの思い切りで買ってよかったと思っている。
 これで高い衣服に目覚めるような気遣いもないし、調子に乗って走りすぎないようにだけ気をつけよう。
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 今年も一年、ありがとうございました。
 みなさま、よいお年をお迎えください。