◆またドバイ ──つらい帰国の途

 とりあえず、またドバイにたどり着いた。ベルガモから電車、ミラノからバス、空港から飛行機で今ここ。このあとさらに飛行機に乗ってバスに乗って、迎えの車に乗って家にたどり着く。
 乗り物の数が6、時間にして28時間とかそんな数字になる。うーん、やっぱりちょっと・・・とは思うけれど、いずれにせよ、大阪からミラノに直行便はない。

 案の定、窮屈な座席に厚かましい隣人、さらに、珍しく通路側に座ったので、配慮なく通過する乗客や乗務員!に泣かされた。

 唯一、イタリアを後にしてよかったことは、タバコの煙から解放されたことだ。

 以前来たとき、こんなに煙たかった記憶はないんだけれど、それはなぜなんだろう。
 とにかく、屋外では老若男女いろんな人が、びっくりするくらいタバコを吸っている。列車やバスを降りるや、そこでもここでもパチパチと火をつけているので、ほとんど逃げ場がない。今どき、駅のホームでの喫煙や歩き煙草がごく普通だなんて、かなり驚かされる。

 昔はそれほど気にならなかったのは、私の煙への感受性が今より鈍かったこと、移動が車だったことが大きな理由だろうか。それにしても、ヴェネツィアだってフィレンツェだってボローニャだってミラノだって歩いたのに、煙たかった記憶がない。単に忘れただけだろうか。

 ともかく、ミラノの空港から自宅までスモークフリーでいられることは、このつらい帰国の途におけるほとんど唯一の救いだ。

 飛行機が出るまで、まだ3時間ある。
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 以上は注文したパッタイ(タイ風焼きそば)が来るまでの間に書いたのだが、来たパッタイが感動するほどおいしかった。いくらパスタが好きだとか言ってみても、やっぱりアジア人なんだなあと実感する。
 でも、パッタイはおいしくて、お寿司はどうしてあんなにまずそうで高いんだろう。とても食べる気になれない。