●ちょうど9か月ぶりの和牛ステーキ

 超絶6割値上げ(ではないのだが)のイタリアンに、それでもたまに行く。
 この4月から4か月で3〜4回、月に1回ぐらいか。

 今日は夏前の食べ納めにと、ちょっと張り切って行ったのだが、「ラストオーダー13:30分」と書いた看板横のドアにはすでに Closed の札。時刻は13:25分。

 以前も一度同じことがあったが、その時は食べられたので、おそるおそるドアを開いて聞いてみると、今年高校を出たばかりの男の子がシェフを呼ぶ。
 客は誰もいないようだ。

 ほどなく顔を出したシェフは「すみません、夏休みに入ってて今日はめっちゃ暇で、もう火を落としてしまったんですよ」という。「火を落としてしまった」の意味を今ひとつ測りかねたが(つければいいという問題ではないのだろうか?)、少し考えて、また一から大鍋に?お湯を沸かすのが大変なのかと一応理解する。

 「ほんま、すんません」というので、まあいいのだが、客は時間に間に合うようにがんばって行ってるのだから、やはりラストオーダーと表示した時間までは店を開けておくべきではないかとも思う。
 腹は立たないけれど。

 というわけで、ここに振られたときに以前行った、ものすごく狭い店に行く。

 最初、メニューに「和牛ステーキランチ」が見つからなくてどうしようかと思ったのだが、あのレベルの料理を出すんだから、他のだっていけるだろうと、いずれにしても入ることにする。

 入る前、地面に置いた切妻屋根のようなメニュー(あれって何て呼ぶんだろう)の裏側を見ると、遠慮がちに書いてあって安心した。
 この店の最高値ランチ。それでも1000円。

 今日は先客が一人いたが、ほどなくお金を払って出て行き、私一人になる。ご夫婦と思しき初老の男女と私一人だけが狭いスペースにいて、少し気づまりだ。テレビでクリス松村がインタビューを受けていて、それが流れているのがちょっとした救いになる。
 テレビのある飲食店は基本的には大嫌いなんだけれど。

 和牛ステーキランチ(本格プリン付)はやはりおいしかったが、1回目ほどの感激はない。

 あとで調べるとちょうど9か月ぶりだったし、食べたのはまだ2回目だというのに、人間、何にでも慣れてしまうんだなあと改めて思う。

 ネット情報では、ご夫婦だと思っていたお二人は姉と弟だというのだが、うーん、あの遠慮のなさは家族ならではだよなあと思うものの、やっぱり夫婦にしか見えなかった。

 でも、姉弟と(中年以上の)夫婦の関係って、何か違うところがあるんだろうか?

 家人は、「弟やったら、ごはん作ってあげへん」とか言うのだが。
(私だって、掃除したらへん・・・かも。)