●「ハンドル操作の誤り」

 うわお、いつのまにか3月に入って1週間も経っている。そしてその間、ここに何も書いていない。今気づいた。
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 警察庁なんかが交通事故の原因を説明する際に、「速度超過」「前方不注意」とならんで、よく「ハンドル操作の誤り」という表現を使う。

 あれを見るたびに「「ハンドル操作の誤り」って何のこと?」と思っていた。

 たとえば、カーブを曲がりきれずに事故を起こしたら「ハンドル操作の誤り」なのか。でも、それはむしろ、スピードの出しすぎだと思う。
 まあ、同じスピードでも、F1レーサーとかが「ハンドル操作」をすれば曲がれたのかもしれないが、そういうことを考えても仕方がない。事故の一義的な原因は「速度超過」であるはずだ。

 では、道路の左側の電柱にぶつかったら、「ハンドル操作の誤り」なのか。それはむしろ、「前方不注意」なのではないか。あるいは、電柱までの距離感がうまくつかめなかったのだとしたら「目測の誤り」とでも言うべきだろう。

 いったい、「ハンドル操作の誤り」ってなんなのだろう? それを原因とする事故がどうしてそんなに多いのだろう?
 ・・・もしかして、事故原因を究明するのが面倒なので、ちゃんと前を見ていて速度もそれほど出ていなかったとドライバーが主張したときは、自動的に「ハンドル操作の誤り」にしたりするんだろうか、とか思っていた。

 最近までは。
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 息子が自動車免許を取ってきたのだが、1人で乗せるのは危なっかしいし、本人も1人では乗れそうもないと言っているので、隣に乗って「本免許練習中」をやっている。

 それでたちどころに、「ハンドル操作の誤り」の意味を理解した。

 幸いまだ当てたりこすったりはまったくしていないものの、ハンドル操作は誤りだらけである。

 速度なんかもちろん出ておらず、目測を誤ったりはしていなくても(してないんだろうな?)、切りすぎたり戻すのが遅かったり切り足りなかったり・・・をかなりやる。
 ああ、これがかの有名な「ハンドル操作の誤り」なのか!

 まあ、息子は少しずつ上達しているし、そのうちそんな「誤り」もおかさなくなってくるだろう。

 だがたとえば、そこら中の駐車場の入口や壁なんかにカラフルなペイントがこすりつけられているのを見ると、いつまで経っても「ハンドル操作の誤り」を繰り返している人がいるのかもしれないと思う。

 これまではむしろ「目測の誤り」だと思っていたんだけれど。