★IDとかパスワードとか

 ネットを使って何かをしようとすると、そのたびにメールアドレスとかIDとかパスワードとかを要求される。そして、最近の生活は「ネットを使って何かをしようとする」ことばかりである。

 職場と家とでは当然メアドもIDも違うものを使わなければならないし、銀行や証券会社などでダイレクトにお金を動かせるものやクレジットカードに紐づけられたものにはじまって、パスワードまでばれてもわりにどうでもいいものまで、同じIDとパスワードというわけにはいかない。向こうで勝手にIDを指定してくることだって多い。
 それに、海のものとも山のものとも、もっといえば、かなり怪しげなサイトでも、ちょっと使ってみようと試すだけでメアドやIDやパスワードが必要になる。

 だから、セキュリティの重要性や立場に応じて何種類かは考えざるを得ない。単純なパスワードははじかれるし、銀行などは「定期的に変更せよ」とか言ってくる。

 覚えていられるわけがない。

 みんな、どうしてるんだろう?

 私はこれまで、テキストファイルにずらずらとメモすることにしていた。もちろん、パスワードをメモするのはタブーなので、そのファイル自体にパスワードをかけてあるし、仮に開けることができても、
・例のインターネットパスワード
・本パスワード
・kmy
など、それだけでは絶対にわからないようにしている(最後のは、これだけで10ケタ以上のパスワードを思い出すようになっている)。

 でも、それがどんどん増殖して、忘れたときに検索するのも面倒になっていた。もう数年越しのことである。

 ずっとうっすら気になっていたのだが、寒い師走のつれづれに、一念発起して Excel でデータベース化することにした。最初に入力するときからそうしておけばよかったと思うのだが後の祭りである。

 あ、違う違う。
 最初は NewNOTEPAD Pro でデータベース化していたのだ。ところが、MacOS が Lion になってから動かなくなり、仕方なしにテキストファイルに書き出すと、簡単にデータベースに移行できるような形式に整理されていなかったのである。それで仕方なくそのテキストファイルに継ぎ足してきたのだった。
 ウェブサイトを見ると、今でも堂々と「Mac OS X Lion (10.7)以降では動作しません」と書いてある。サポート打ち切りということか。そういう可能性のあるソフトを使うことのリスクを思い知った。

 Excel のファイルにしておけば、あとは何とでもなる。数が多いとはいっても、小一時間もがんばれば終わるだろう・・・と思ったのだが甘かった。

 たっぷり1時間以上はがんばってコピペを続けたと思うのだが、たぶんまだ半分ぐらいしか終わっていない。項目数や位置づけがけっこうばらばらなので、コピペも機械的にというわけにはいかない。結局、備考まで含めて最大8項目とし、現在で120レコードぐらいになった。おそらく全部で200は越えるだろう。

 そこそこ使っているのはその1〜2割ぐらいかもしれないが、自動車保険の更新とかのように、年に1回しか使わなくても重要なものもある。
 作業が単調だし、こんなIDがまだ生きているのかと思ってたまにログインしたりするものだから効率も悪い。でも、それで完全に忘却の彼方にあった写真が表示されたりして、引っ越しの時に荷物をひっくり返したような楽しさもないわけではない。

 それにしても・・・

 家人に、「みんなどうやって管理してると思う?」ときくと、「そんなことがちゃんとできる人がいるとは思えない。ぜんぶおんなじにしてるんじゃない?」という。

 確かに。

 それでパスワードが流出して何百万円の損害・・・みたいなことが起こらないのが不思議だが、私だって単純なパスワードを何十箇所にも使い回していて何もないのだから、案外、それでネットバンキングをやっても大丈夫なのかもしれない(いや、絶対にお勧めしませんが)。

 ただ、仮にパスワードをぜんぶ同じにしても、向こうで勝手にIDを指定してくる場合には、IDを把握しておく必要がある。まあ、たいていはブラウザが覚えてくれているにしても。

 ちなみに家人はどうしているかというと・・・ そもそも仕事以外ではインターネットのアクティブユーザではないし、私的なものはほとんど私が管理している。今までのところ、十数個あったが、たとえ5つだって、家人には絶対に不可能だ。

 だから私の負担が増えるのである。
 いつでも家人のほぼ全財産を自分の口座に送金できるけれど・・・