◆オウムの高橋容疑者逮捕

 オウム真理教の元信者で、特別手配されていた高橋克也容疑者が、東京は蒲田にある漫画喫茶で逮捕されたという(朝日新聞 夕刊)。

 いや、この件に関して、特に言いたいことはない。

 なのになぜ記すかというと、帰宅して郵便受けを開け、配達されていた夕刊でその事実を知ったからだ。

 もはや、大きなニュースを最初に知るのはほとんどがネット経由になっている。少なくとも、10年以上前!の2001年9月11日からそうだった。
 朝刊の大見出しは前夜にネットで知った話。夕刊の大見出しは職場で覗いたネットニュースで見た話。そればかりではなく、1週間以上のタイムラグがあることすら稀ではない。

 そういう生活が続いていたので、夕刊の大見出しを見て新鮮に感じたのである。

 もう一つの理由は、「もしかすると高橋容疑者はロードバイク(自転車)で逃げているのではないか」という説を読んだ直後だったこと。
 なるほどと納得させられる話で、その説に従えば、彼は今ごろ関西とか九州とか東北とかにいるはずだった。
 先日も、識者と呼ばれる人々がしたり顔で「関西に潜伏していると睨んでいます」などとしゃべっていた(それは高速バスが前提だった)。

 どうなんだろう? この辺にいるのかなあと思って帰宅したら、夕刊に逮捕の見出しを見つけたのである。

 だが、東京。蒲田。

 それにしても、17年も逃げ続けたのに、よく見つけるよなあと思う。以前なら、とうに時効も成立している期間ではないだろうか。
 ___

 職場や街中で人波を見ると、目眩に似た感覚をおぼえることがある。数が多すぎるのだ。
 そして、自分もその中の「1」に過ぎないことを思い知る。

 よく言われるのとは違う意味で、見つけてもらってよかったなあという気がする。
 たとえ相手が自分を逮捕する警察官であっても。