■魔法の板

 iPad 2 が気に入っている。

 まず何より、小さくて軽くて薄いのがいい。

 手に入れる前は、せめて13インチぐらいの画面がほしいと思っていたが、もしかするとそれは間違いかもしれない。
 将来、もし、13インチの iPad が出たらたぶん買うとは思うが、こういうものはやはりこのサイズでないとだめだということを、さんざん考えに考え、議論を重ねた上で決定したというのが想像できる大きさだ。

 必要十分、絶妙である。

 長辺の長さは、小さなポーチにでも入ってしまうのに驚いた。短辺(高さ)がはみ出してしまうのが残念だが、大きめのポーチなら入る。いつも持ち歩くために、新しいポーチがほしくなった。

 薄さ・重さは現状でも十分だが、今後さらに薄く・軽くなるだろう。

 「風呂の蓋」と揶揄されたスマートカバーも素晴らしい。

 なんかこう、持っているだけで満足感に浸れ、寝るときは抱いて寝ている。いや、半ば冗談だが、寝床の中で使ったまま、布団の上に朝まで存在するのは事実だ。

 大学時代、暇があると寝床で本を読んでいたが、コンピュータを使い出してからどんどん目が悪くなって、眼鏡なしで本を読むのが困難だと思っていると、そのうち、不可能になってしまった。
 それが、iPad なら、あの時代と同じように眼鏡なしで寝床で本が読めるのである。文字の大きさが自在に変えられるからだ。それだけでも価値はある。

 朝のトイレの中には必ず新聞を持って入っていたが、iPad を持ち込むことも多くなった。
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 もちろん、タブレット型コンピュータなので、コンピュータらしきことは一通りできる。

 しかし、感動したのは、電子コンパスとジャイロを内蔵しているお蔭で、ノートパソコンではできないことができることだ。

 たとえば、自分の家がどれぐらい傾いているか知りたかったが、概ね0.5度だということがわかった(ほんとうに正確かどうかはわからないのだが種々の点から考えて正しそうな値だ)

 半ばがっくり、半ばほっとしながら、職場やスーパーなどで測ってみると、やはり同じぐらい傾いている。
 まあ、通常の建物の許容範囲なのではないかと思う。

 使ってみて叫び声を上げたのは、「今ここ」から見える星空を画面に映し出してくれるアプリケーションだ。
 いわゆる「星座早見盤」なのだが、時刻も(可能なら)現在地も自動で設定される。
 そして、コンパスとジャイロを用いて、iPad を向けた方に見える星空が画面に展開されるのだ。

 夜空を眺めて目の前に iPad をかざせば、星座や惑星の名前が一目瞭然である。

 その他にも見るべきアプリは数多い。

 とりあえず唯一残念なのは、GPSが内蔵されておらず、Wi-Fi による位置情報しか使えない点だ。ただ、自宅の場所はほぼ正確に認識するようにはなった(あっ、職場で実験するのを忘れた)。

 何にせよ、物欲があまりなく、パソコンを買ってもぜんぜんわくわくしない私が、少なくとも1週間、夢中になっているのは事実だ。

 いかがですか。皆さんの寝床にも、iPad を。

 (お風呂の中でも使えるといいんだけどなあ)