●ブブゼラ来襲

 日曜日の昼下がり、リビングでのんびりしていると、下で勉強している(ことになっている)息子が、「変な音がする」と言って上がってきた。

 2階では聞こえなくなったといって、気味が悪いから下に確認に来てくれという。これでも、高三の男子である。

 突発性難聴が治っていないから、いつもの耳鳴りではないのかというと、ぜんぜん違うという。まあ、これは本人が一番よく知っているだろう。

 息子の部屋に入ると、確かに窓の外から妙な音が聞こえてくる。まったくもって、あのブブゼラの音だ。
 ワールドカップの応援のために近所の人が鳴らしているとはちょっと思えない。ほどなく、ハチがたくさん飛んでいて、その羽音だというのがわかった。

 庭のナンキンハゼに花が咲いていて(緑の地味な房がたくさん垂れ下がっている)、それにハチが集まっているのだ。多くはミツバチのようだが、そうでないハチもいる。夥しい数で、おそらく数十匹はいるのではないかと思われた。

 2階に上がってベランダに出ると、そこでも盛大にブブゼラの音が聞こえた。やはり大半はミツバチのようである。
 ここ数年、毎年花は咲いていると思うが、こんなにハチが集まったのはたぶん初めてだろう。

 ミツバチの異変が言われているが、何か関係があるのだろうか。

 勝手に生えてきて2階の屋根を越すほど大きくなったナンキンハゼ。剪定などにけっこう手間がかかるのだが、虫や鳥の役に立っている部分もあり、ちょっと気に入っている。