■医師の告知

Dsc06439_vga みなさんは、子どもの身長が今からまだ伸びるのか、それとももう伸びないのか、簡単に知る方法があるのをご存知でしょうか。

 私は知りませんでした。

 息子はまもなく17歳になりますが、母親である家人と身長がちょうど同じぐらいです。
 もともと小さく産まれたし、小学校のときも真ん中に届いたことはなかったかもしれないのですが、目立って低いというほどではなかったし、私も家人も背は高いほうなので、成長期に入ればぐっと伸びるだろうとあまり気にしていませんでした。

 ところが、去年の12月(高1の冬)からまったく身長が伸びていないのです。「まあ、そのうち・・・」と考えるうち、9か月が経ってしまいました。

 おそらくは、誰に聞いても、「16歳でしょ。まだ伸びるよ」という反応が返ってくると思います。私も家人も、希望的にそう思っていました。家人など、女のくせに(というのは決して女性差別ではありません)大学に入ってもまだ背が伸びていたというのです。早い子なら中学3年ぐらいで止まってしまうのに。
 私も自分の身長の記録は(たぶん)覚えていて、高校に入学してから10cmほど、高3以降でも3センチ近く伸びているはずです。

 しかし、いったん9か月間も止まった伸びが、また始まるとも考えにくく、思い切って医師に相談することにしました。

 現在の家に越してから、リビングの隅の柱に、不定期ですが身長の記録を残しています。「♪柱の傷はおととしの・・・」ではありませんが、小学校一年生から鉛筆で書いた日付とラインがあります。
 試みに、その数字をグラフにしてみると、綺麗な曲線になり、昨年末からみごとに頭打ちになっています。これが再度上向く可能性は、素人が見てもなさそうでした。

 ネットで調べてみると、比較的近所に低身長を一つの専門にしているクリニックがあり、メールでも相談を受け付けているというので、早速、グラフを添えて相談してみました。

 そこには2人の医師がいるのですが、そのうちの一人は息子が乳児のときにお世話になった、大学病院の先生でした。その後退職して開業していらっしゃるのです。「こんな妙な縁もあるんだなあ」と思いましたが、身長担当はもうお一方の方でした。

 日をおかずお返事をいただき、「レントゲンを撮って骨端線が閉じているかを確認しないと確定診断はできないが、おそらくは最終身長に達しているだろう」ということでした。

 「骨端線」という言葉自体、初めて聞きましたし、まだ伸びる余地があるのかどうか医学的に診断可能であることも初めて知りました。
 それにしても、「最終身長」。まだ17歳にもなっていない息子にこの言葉があてはまるとは・・・
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 ともかく、本日夕刻、耳鼻科を受診したあとでそのクリニックに向かい、診断していただきました。医者のはしごなんて何年ぶりでしょう。もしかすると開業医のはしごは初めてかもしれません。

 結局、予想したことですが、メールと同じお話で、息子は医学的には低身長(定義は「平均−2SD」以下)ではなく、治療の対象にはなりませんでした。そして、骨端線は既に閉じており、仮に治療や努力をしても、これ以上身長が伸びる可能性はないということでした。

 まあわかっていたこととはいえ、こう明快に告知されるとむしろ爽快です(誤解のないよう申し上げますが、先生はこちらの心情に配慮のできる方でした)
 それにしても、息子は父親の身長を超えて当然、超えないまでも並ぶぐらいにはなるものと思っていたのに、やっと母親と並ぶ程度とは・・・ 祖父よりも低いのです。

 突発性難聴の件では原因不明・治療法不明の現代医学も、今後身長が伸びないことは明快に診断できることに皮肉を感じてしまいます。
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 ともかく、この件、当の息子はほとんど、私たちもあまり気に病んではいないので、あとは今後の人生にマイナスの影響を及ぼさないことを祈るばかりです。

 何しろ、もはやどうしようもありません。現代医学にも私たちにも、今からできることは何もないのです。

 これでかえって心配や不安から解放されました。

 諦めはときとして救いにもなりますね。