■ヴィソラ崩壊? リニューアル?

 久しぶり?に「箕面マーケットパーク ヴィソラ」(大阪府北部:箕面市)を覗いてみると、あっちでもこっちでも、閉店セールをやっていたり既に閉店したりしていた。

 ヴィソラは、フランス資本のスーパー「カルフール」を核店舗に据え、シネマコンプレックスやテナントショップなどを集めた複合商業施設である。北摂(≒大阪府北部)随一の規模といってもいいのではないだろうか。2003年に鳴り物入りで開店した。

 だが、カルフールはイオンの軍門に下り、140を数えるというテナントも、「大丈夫なんだろうか」というような店が大半を占めていると感じていた。
 ただ、週末は渋滞を生むほど人が集まるために、私はほとんど寄りつかないので、空いている曜日・時間帯のみに観察しているというバイアスが入っていることをお断りしておく。
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 さて、閉店セールをやっている店と、既に閉店した店の数が、ちょっといくら何でも・・・という感じだったので、お知らせのポスターとかを見てみると、要するに、各テナントとも、「ヴィソラと当初?契約した6年の期間が終わるので・・・」というようなニュアンスだった。

 しかし、黒字なら契約を更新するだろう。
 逆にいえば、契約に縛られていたために、これまで泣く泣く赤字営業を続けてきたとも読める。既に撤退している店もあるから、違約金と赤字とを睨んで、より損失の少ない方を選ばざるを得なかった、苦渋の選択を毎年?続けてきたのではないか。

 折からの不況だ。私の目にはヴィソラが崩壊しつつあるように見えた。
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 ところが、別のポスターを見ると、「この秋、ヴィソラは大きく生まれ変わります」と脳天気である。「リニューアルオープン」なのだそうだ。

 まあ、新しくユニクロも入るみたいだし、嘘ではないのだろうが、かなり苦し紛れという感じはする。何といっても集客施設なので、暗く沈むわけにも行かず、何が何でも前向きに右肩上がりを演出しなければならないのかもしれない。
 なんだか、日本そのものの縮図のようにも見えてくる。

 私だって、日本やヴィソラが暗く沈んでいくことを望んだりはしない。日本のことは措くとして、ヴィソラから田村書店までが撤退したのは痛い。

 いや、逆に、ヴィソラのことは措くとして、これからの日本のことが真剣に心配である。崩壊するのか、リニューアルするのか・・・