★初めての駐車違反

 バンフの町にはあちこちに無料の駐車場があり、車を駐めるのにほとんど苦労はない。

 駐車場が満車でも、多くの道路が2時間以内とか30分以内とか駐車可能であり、しかも無料である。

 それでもバカンス最盛期、ちょっと苦労して中心部からワンブロックだけ離れた道路に車を駐めた。

 歩道に黄色いペイントがないことを何度も確認して駐めたのだ。

 それなのに・・・

 タイ料理の昼食を食べ、おとぎの国のようなカスケードガーデンから戻ってみると、ワイパーにはみごとにチケットが挟まれていた。

 わが生涯、初めての駐車違反である。

 駐車違反の取り締まりにうるさい日本で、二十何年も車に乗り続けていて1度もなかったのに、ほんのちょっと車を駐めた外国の街角で検挙されるとは。

 確かに、後でよく見ると、黄色いペイントはされていないのだが、「ここまではOK、ここから先はダメ」の看板が車の後ろにある。ペイントはあくまでも補助だろうから、法的には駐車違反が構成されるのだろう。
 しかし、私の車の手前で明らかに途切れたペイントを見れば、不運を嘆かないわけにはいかない。

 落ち着かない気持ちで、フェアマウント・バンフ・スプリング・ホテルをボウ川対岸から眺めた後、チケットの裏に書いてある Town Hall へ出向いた。

 これこれこういう事情でと説明して、駐車している車の写真を示したところ、同情はしてくれたが、「この窓口ではどうにもできないので、文書かネットで異議申し立てをしてくれ」ということであった。

 ネットで?

 いずれにせよ、そんなことをしても、明日ここを発つのだ。「もし認められなかったらどうなるんですか?」

 「電話でクレジットカードの番号を伝えれば、後で支払えます」!
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 ホテルに帰って早速ネットでの異議申し立てをやってみると、なるほど、簡単にできる。後で気づいたポールの標識には触れずに(笑)、駐車違反しないように細心の注意を払って駐めたということをアピールする(これはほんとうだ)。

 結果は 5 business days 以内にメールで返ってくる予定である。

 さて、バンフの町当局(警察による取り締まりではないらしい)は、可哀想で善良な運の悪い旅行者に果たして微笑んでくれるだろうか?