■今年もがんばっております 〜コウノトリ

 たとえばアカショウビンは、姿も声(音声出ます注意)も美しく、観察するのが難しい幻の鳥だが、おそらくはまもなく日本各地で繁殖が始まり、それなりの数のヒナが生まれて成長していくことだろう。

 その数は誰にもわからない。

Img_6785_32 それに対して、日本にいるコウノトリのヒナはすべて把握されている。
 そのうち、飼育下にないものは(おそらく)7羽のみで(5月3日現在)、いずれも兵庫県豊岡市にいる。

 2007年、日本としては46年ぶりに野外でコウノトリが繁殖した時は、マスコミが派手に取り上げ、大きなニュースになっていた。
 だが、去年今年は完全に?無視されている。

 そんな中、もちろん、コウノトリ自身は一昨年と変わらず、営々とがんばっている。
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 何といっても連休の真ん中、大渋滞を覚悟して豊岡に出かけた。

 結局、高速道路を避けたお蔭もあり、行きは連休らしさを楽しむ程度にちょっとだけ渋滞を経験し、帰りはまったく渋滞と無縁だった。

 「1000円の恩恵」は受けられなかったのだが、渋滞に遭わないことの方が大事だ。

 コウノトリはほとんど誰からも忘れ去られていると見えて、ヒナも育っているにもかかわらず、しかも連休中だというのに、あまりにも人がいないので拍子抜けしてしまった。

 洪水のような報道で何でもあっという間に消費してしまうマスコミが去った後の豊岡は閑散としていて、私たちと同じ時間にヒナを見守っているのは数人だけであった。

 1羽だけが生き残っている百合地(ゆるじ)地区でも、3羽が順調に育っている戸島湿地でも。

 百合地(人工巣塔9)のヒナはもう立派な大人に見えるのだが、巣立つまでにはまだ3週間程度かかるという。

 戸島湿地(人工巣塔1)のヒナはまだ小さく、これから5週間は巣の中にいるのではないか。

 野上(人工巣塔4)のヒナ(3羽)は、4月23日と28日に確認されたばかりなので、7月初旬までは巣立たないだろう。

 これほど空いている「観光地」はない。城崎温泉玄武洞もすぐ近くだし、確実に複数のコウノトリが見られる「コウノトリの郷公園」もある。

 しかも、城崎温泉を除き、ほとんどが無料だ。

 ぜひお出かけください(ただし、なるべくそおっと、遠くから見守ってやってくださいね)。