◆リストランテ

 もう十年来になるだろうか、一度行きたいと思いつつ、なぜか縁がなくて行けなかったイタリアンレストランで夕食を食べた。

 リストランテを名乗っている日本の店で食べたのは初めてかもしれない。

 ナプキンが紙なのにちょっと驚いたが、それ以外は確かに(郊外としては)一流の匂いがした。
 もちろん、「あの、すみません、お水お願いします」は一度も言わなかったし、デザートメニューが欲しかったときも、ちょっと手を挙げるとすぐに来てくれた。ウェイトレスの顔色を見ながら絶妙のタイミングで声を張る必要はない。
 もっとも、すごく空いていたからかもしれないけれど。

 前菜が芸術作品のように盛りつけられていて美しかった。

 手打ち麺は独特の食感で、ソースもおいしかった。

 思い切って頼んだノドグロの丸ごとグリル(確か3000円超!)もインパクトのある大きさだった(間違って人数分、3つ持ってこられたらどうしようとちょっとドキドキしていた。かつてフランスで、1つだけ頼んだつもりのフォアグラ(しかも大量)が3つも出てきて往生した経験がある)。

 各皿、いくつかは聞き慣れない素材が使われている。リストランテを名乗るのも大変だなあと思った。

 平日のランチは1050円から。これからはときどき通ってみよう。