●スタッドレス異聞

 北国のみならず、京都も雪景色だと聞いて、今年は早々にスタッドレスタイヤに入れ替えた。

 が、例年通り、せいぜい2〜3回無理矢理役に立てればいいところだろうと思う。

 もっとも、凍結した路面の上をノーマルタイヤで走って事故を起こし、「まだ大丈夫だと思った」とわけのわからないコメントを残しているドライバーのニュースを見ると(事故現場の凍結道路の映像は、とても「大丈夫」には見えなかった)、早めに準備しておくに越したことはないとも思う。

 今シーズンはぜひ、湖北にバードウォッチングに行きたい。

 いつも、スタッドレスに履き替えるとステアリングが異様に軽くなる(つまりグリップが悪くなる)のだが、今回はそれほどでもなかった。
 「スタッドレスの時のステアリングの感覚も体が覚えちゃったのかな」と思ってあまり気にしていなかった。

 さて、タイヤを交換すると、ショップでいつも空気圧を高くしすぎるので、1週間ほどしてなじんできたところで適正圧に調節する。測りながら抜くだけだからコンプレッサーなどはいらない。

 ところが、最初に測った右の前のタイヤの空気圧がなんと1.3しかないのだ。適正圧のほとんど半分である。その数字が記憶の琴線に触れる。1.3・・・
 前回車から外して保管したとき、自分でセットした値じゃないか。もしかして、ショップの店員が空気を入れ忘れたのではないか。

 と思って他の3輪を測ると、2.5ぐらい入っている。うわっ、じゃあ、右の前はパンクでもしているのか、とちょっと青くなる。知らずにしばらく走っていたことになるのだ。

 いや待てよ。このタイヤだけ空気を入れ忘れたのではないか。いずれにせよ、ペッタンコではないのだから、どこかまで走っていって空気を入れてみなければならない。しかし、ガソリンは満タンにしたばかりだ。一番近いセルフのスタンドは・・・ ディーラーは・・・ どこが近いだろう・・・

 面倒なので、自転車に使っている空気入れで入れることにした。最初どうするんだったか少し戸惑ったが、アタッチメントの向きを2つとも変えると、スムーズに入った。

 ちょうど用があったので、近い方の職場を往復。帰ってから、外したノーマルタイヤ(というよりホイール)を洗剤で洗う。今日はワックスをかける元気がなかった。

 その後、念のため空気圧を測り直したが、ぜんぜん減っていない(むしろ、まだ冷え切っていなくて少し増えていた)。やはり、ショップの店員が空気を入れ忘れたのだ。

 命にかかわるタイヤを扱ってる店がこれでは困る。

 そういえば、取り付けるときにタイヤの転がり方向を逆にして注意されていたようだ。そんな肝腎なことを間違えるような連中だから、空気も入れ忘れるのか・・・ 1人でやってるんじゃないんだけど(だからむしろ無責任になってしまうのかな)。
 タイヤホイール専業で、この辺では有名な老舗なのだが。

 ステアリングをいつもより重く感じたのは、空気圧が異様に低かったからなのだ。

 とにかく何事もなくてよかった。

 些細な違和感も大事にせねばならない。大きな出来事の前兆は「なにかちょっとしっくりこないな」という程度の感覚的なものであることが多いのだ。

 でも、どうでもいいことを気にしすぎる性癖も直さなきゃならないんだけど・・・