◆バルチック艦隊はどこから?
あー、びっくりした。
今朝の朝日新聞に、ロシアのバルチック艦隊(日露戦争の際、日本海海戦において、東郷平八郎率いる連合艦隊が「敵前大回頭」などによって一方的に撃破したとされる)司令長官の手紙が発見されたという記事があった。
そんなものが今ごろ出てくるのも驚きだが、私がびっくりしたのはそのことではない。
バルチック艦隊は、遥かバルト海(要するにロシアの一番西の端、スウェーデンとかフィンランド沿岸だ)に展開していたのだが、大西洋を南下、アフリカを回ってインド洋を横断、東南アジアを経て日本海へと北上してきたというのである。
バルト海の艦隊だからバルチック艦隊という名前なんだ・・・
おそらく、そんなことは常識だという方もいらっしゃるのだろう。だが、私にとっては非常な驚きだった。
高校2年生の世界史の時間、先生は「敵前大回頭」について、珍しく(と記憶しているのだが)見てきたかのように教えてくださった。世界史の授業で今もありありと覚えているのは、その話だけだと言っても過言ではない。
70年?安保に反対してゲバ棒を持って活躍していた話を懐かしそうに話す先生だったが、こと「敵前大回頭」に関しては、素朴な愛国者に見えるほど無邪気に賛美しているようにも感じられた。
その折りに「日本海海戦」に関するイメージが私の頭の中で形成され、有名な話なので、その後もあちこちで目にしてきたのだが、今朝になるまで、バルチック艦隊が遥かヨーロッパからわざわざやってきたことも知らなかったのだ。
そんなこと、考えたこともなかった。
私の思い違いかもしれないが、先生が描いた黒板の絵から形成した、長い間私の頭の中にあったイメージは、新潟県とか秋田県沖で、北東から攻めてくるバルチック艦隊を南西から近づいた連合艦隊が撃破したというものだった。
言うまでもなく、バルチック艦隊はウラジオストックかどこか、極東の港から南下してきたと思っていた。
だが、調べてみると、実際の主戦場は対馬沖!だし、東南アジアから北上してきたバルチック艦隊は南西から攻めてきたのだった。
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私の中にあった「日本海海戦」のイメージは何だったんだろう。
それほど興味もなく、知ってるつもりになっていたことが実はこんなことだったなんて。
ほかにどれだけ、こんなことがあるんだろう?