★才能

 もちろん放送は見逃したが、世界陸上といえば、男子走り高跳びの金メダリストには驚かされた。

「ものすごく特別な、巨大な才能を例外にすれば、何か目標を定めて、ずっと努力し続けられる力こそが才能の中核ではないのでしょうか」(村上春樹

「もうひとつ、ものすごく特別な巨大な才能って、実際にはほとんど存在しないみたいです」(同)

 その通りだ、と思う。

 だが、ごく稀にはやはり、特別な巨大な才能が存在するのだろう。

 1年半ほど前から走り高跳びを始めた元バスケットボール選手。練習は週に5時間。履いているのは棒高跳び用のスパイク。

 それで今季世界最高の2m35を跳び、金メダル。

 昨年、2m24を跳んだ時にはバスケットボールシューズだったという。

 ただ、彼がたとえば世界記録を更新できるかどうかは、やはり「何か目標を定めて、ずっと努力し続けられる力」の有無がものをいうのだろうか。

 まあ、何の縁もない人にどんな才能があっても何の関係もないんだけど・・・