◆航空身体検査

 飛行機の免許(厳密には技能証明)は一生有効だ。その点、一応の有効期限がある運転免許とは異なる。

 が、航空身体検査をパスしていなければ操縦はできない。そして、われわれのような末端パイロットでも、検査は毎年受けねばならない。

 これがけっこう厳しいもので、職業パイロットなどは常に不合格になるリスクと背中合わせだ。適切な自己管理ができないと、簡単に不合格になってしまうらしい。
 一応はホワイトカラーに分類されるだろう仕事で、これほど「身体が資本」の職業は他にないのではないか。

 末端パイロットにとっても、けっこう面倒だし緊張する。特に視力関係の検査はなんと6種類もある。もともと、目が悪いために飛行機の免許を取ることなんて考えてもいなかったぐらいだから、これがけっこう大変で、心理的にも負担になる。

 もちろん、手間もお金もかかる。健康保険なんか利かないので、万単位である。まあ、細かく目のチェックをすることなんて普通はないから、今年も大丈夫だと思って安心するためには仕方ないかなと無理に納得するしかない。
 でも、同じお金を払うなら、脳ドックを受けたいんだけど・・・

 ともあれ、今年も無事にパスできたことに感謝せねばなるまい。あいにくの空模様だが、曇天の時は案外空気が澄んでいたりする。それなりに健康である幸せを噛みしめながら空を飛んでみたい。