●情報過疎ふたたび

 今の職場のすぐ隣、自宅からも遠くないところに以前の職場がある。その前を通ることも少なくないと思っていたのだが、今日通ると、建物がいきなり新築になっていた。

 工事中とかではない。すでに完成していて景色が変わっているのだ。いつのまに・・・

 立て替えるらしいことは風の便りに聞いていたが、こんなに近くのなじみ深い場所ですら、気づかないうちにその姿を変えてしまうとは・・・

 生活圏の中でさえ、通る道と通らない道ははっきりしている。カーナビの軌跡を見ると、ほとんどの道は存在しないのも同然だということがよくわかる。自転車で走る道、歩く道も同様。

 20年以上この近辺で暮らして、こんなところに池が、こんなところに森が、こんなところにカワセミが・・・ という日だった。自分の生活圏の上をオオタカハヤブサが飛んでいるなどとは考えたこともなかった。

 同じ場所に住んではいても、みんなが違う世界に住んでいる。以前の自分と将来の自分も。