◆初めての?ゴーアラウンド

 あっという間に1週間。ばたばたしてたんだなあ・・・

 久しぶりに飛んで、琵琶湖を見物してきた。

 それはそれとして、久しぶりだったので最初に離着陸の練習をした。
 飛ぶ前からなんとなく不安だったのだが、悪いことは重なるもので、(たぶん)1年以上ぶりの滑走路、09。いつもは西に向けて離発着するのに、今日は東向き。話は全然違うが、久しぶりの外国で、見知らぬ街・左ハンドル・右側通行、というのに近い。
 それに加えて北風。つまりは、ほぼ真横から吹いている。それほど強くないとはいえ、面倒なことに変わりはない。

 久しぶり、かつ、慣れない地上目標にドキドキ。場所と連動しているために、着陸手順も安定しない。滑走路間近。不安なものだから、失速しないようにとスピードを多めにする。さらに、近づいてくる地面が恐くて引き起こす。典型的な「下手の高起こし」である。
 順調に?降りていた機は、当然のように、また浮き上がろうとする。修正。引き起こし。また浮く。修正。まだ高い・・・
 慌ただしく操作しながら、ゴーアラウンドを決意した。つまり、このまま着陸せずにもう一度飛び上がるのだ。

 飛行機の操縦を習い始めて最初のころ「少しでも危険を感じたら、ためらわずにゴーアラウンドすること」というのを教わった。テキストにもそう書いてある。だが、訓練のために教官に指示されてゴーアラウンドしたことは何度もあるものの、「危険を感じて」ゴーアラウンドしたことなんてただの1度もない。

 だが今回は、「久しぶりだし条件も悪いし、ちょっとでも変になったらゴーアラウンドしよう」と考えていたせいもあって、初めて実際のゴーアラウンドとなった。おそらく、いつもならあのまま降ろしていたろうし、実際、降りられただろうとは思う。
 でも、いい経験ができてよかった。

 その後、着陸を2回練習し、琵琶湖へ飛んで戻ってきた。
 全部で、ゴーアラウンド1回、着陸3回。相変わらずの09で横風だったが、3回とも、まあまともに降ろすことができた。
 ただ、最後の着陸、北から進入して09というのは、もしかすると初体験かも。地上の目標物がどうしても思い出せないということはつまり、そのコースで訓練を受けていないのだ。自分で飛んだ記憶もない。

 それにしても・・・毎日毎日アメリカで離着陸訓練に明け暮れていたときは、我ながら上手に降ろせていたと思う。悪条件だろうが初めての空港だろうがほとんど何の問題もなかったし、不安もなかった。
 飛ぶ間隔が長くなってくると、微妙な不安が頭をもたげてくる。それでも、今日のような経験をするまでは、心の底では舐めている。

 ベテランの自家用パイロットたちが「技量維持」に神経質な理由が、ようやくわかりかけてきた。