◆双眼鏡は8倍以下を

 双眼鏡ほど粗悪品が氾濫している商品も珍しい。まったくといっていいほど使い物にならない機種が、大手販売店やスーパーなどで堂々と売られているのだ。
 断言してもいいが、そういうものを買わされると、すぐ双眼鏡そのものに見切りをつけてしまい、楽しさを味わえずに終わってしまう。いくら安くても、お金を捨てたのと同様である。

 50倍だ100倍だという、双眼鏡としてはありえないようなスペックのものがゴロゴロしている。暗さと手振れと視界の狭さとで、何を見るのにも適していない。
 店頭で覗くと、歴然と光軸がズレているものさえある。5秒覗くとクラクラしてきて、もうすこしがんばると頭痛がする。

 難しいことはいろいろあるだろうが、一言で言って、

 8倍以下の固定倍率ものを

 買うというのがまず基本だ。対物レンズの口径(大きい方のレンズの大きさ)は大きいに越したことはないが、これは重量や携行性との兼ね合いもある。

 値段でいうと、実売で2万円程度出せば、そこそこ使える(贅沢を言わなければ20年ほど楽しめる)ものが買える。1万円台後半でもいい。3万8千円出せれば、一生ものが買える。
 間違っても、7千円以下のものを買ってはいけない

 最悪なのは、新聞広告の通販で「20倍〜100倍ズーム双眼鏡」とかを買うことだ。これを買うと、「ほとんど何も見えない」と言っても過言ではない。作っていること自体が信じられないような商品だ。

 バードウォッチングだと8倍が定番。コンサートや野球・サッカー観戦等にもちょうどいい。防振でない手持ちの双眼鏡では10倍を越えるものは買わない方がいい(そもそも、まともなメーカならほとんど作っていない)。
 美術館や博物館なら、4倍〜6倍ぐらいが使いやすい。肉眼では気づかなかった作品の魅力がさまざまに引き出せるに違いない。
 汎用性を求めるならば、やはり8倍。7倍というのもある。3mぐらいからピントがあうものであれば、屋内でも十分使える。

 「予算と使用目的はコレ。結局何を買えばええねん?」という方は、コメントかメール下さい(私の知識なんて最低限ですが)。ニコンのウェブサイトにある双眼鏡の解説も参考になります(2009.4.21リンク更新しました)。

(とはいっても、双眼鏡を買いたい人なんて、ほとんどいないんだろうなあ・・・)

 後記:それでも双眼鏡を買いたいという奇特な方のために?お勧めの双眼鏡というエントリを書きました(2009.2.28)。
 そちらをご覧いただければ幸いです。keiさん、ありがとうございました。

 さらに後記:「●買って後悔しない双眼鏡」(2013年3月31日)というエントリを作りました。あわせてお読みくだされば幸いです。