★裁判官の勇気

 珍しく仕事から遅く帰ってテレビをつけたら、ニュース23が終わるところだった。他のチャンネルでもニュースをやっていない。すぐ消してしまった。疲れていたので夕刊も読まなかった。朝起きて昨日の夕刊を見てびっくり。一面トップに「小泉首相参拝は違憲」の見出し。いわゆる福岡靖国訴訟での、福岡地裁の判決である。
 この国の裁判(官)のひどさについては以前書いたが、良心と勇気のある裁判官(亀川清長裁判長)もやはり存在することがわかって、少しだけほっとする。それにしても勇気あるなあ。これで、自分のキャリアを棒に振るかもしれないのだ。他の裁判官みたいに適当に憲法判断を避けていれば出世できるのに。
 秘書官を随行して公用車に乗って靖国神社に参拝、「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳したというのだから、職務の執行であるのは明白だ。もしそうでないというのなら、公用車の不正使用、秘書官の私的使用?ということになる。
 最初の小泉靖国参拝(2001年8月13日)の2日後、敗戦記念日には、前年の2倍以上の参拝者があったという。首相の「公式参拝」の影響力があったことは否めまい。いや、しかし、そんなことがあろうがなかろうが、国は「いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定する憲法に違反しているのは、小学生にもわかるぐらい明白なことだ。
 新聞には「今後私人として参拝を続けて欲しい」という声も載っていた。そうなのだ。賛成はできないが、参拝したいのなら、休みを取って(っていう概念があるのかな)、ポケットマネーで出かければよい。なんなら、秘書官ではなく、健太郎?君でも連れて。
 首相は「おかしい。なぜ憲法違反か、わからない」とコメントしたそうだ。よほど頭が悪いのか、確信犯がとぼけているのか。ひそかに前者ではないかという気がしているのだが(笑)
 これを機にまた、憲法改正だとか言い出すんじゃないでしょうね・・・