●若き獅子たち

 マーロン・ブランドモンゴメリー・クリフトディーン・マーチン
 生まれる前に公開された第二次大戦映画。文学的戦争映画といえるかもしれない。もっとも、当時としては「スーパーアクション」であった可能性もある。
 冬にスキー教師をしていた、靴職人のドイツ軍将校。ブロードウェースターだった米軍兵卒。その友人のユダヤ人米兵。それぞれの運命を別々に描く(米兵二人は一緒に訓練を受けたり戦場で再会したりする)
 スキー教師(のちドイツ軍将校)がスキーを教えたのちに微妙な夜を過ごした女性が、ブロードウェースター(のち米軍兵卒)の恋人なのだが、男同士二人は、最後の最後まで巡り会うこともなく、互いの存在すら知らない。悲劇的な最初で最後の出会いにおいてすら、基本的にそれは変わらない。その点を映画として、あるいは文学としてどう見るべきなのか、しばし悩んでしまう。おすすめではある。

(The Young Lions, 1958 U.S.A.)