◆ビッグイシュー

 THE BIG ISSUE JAPAN(ビッグイシュー日本版)を買った。第5号。ご存じの方も多いと思うが、「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」(表紙より)雑誌である。販売者はホームレスの人々。定価「200円のうち、110円が雑誌販売者の収入にな」るという。街へ出ることがほとんどないため、今まで買える機会が1回しかなかったのだが、その1回は何となく買いそびれて、再度そこを通ったときにはもう売っていなかった。したがって、初めての購入である。
 けっこういい紙で、A4オールカラー30ページ。広告はほとんどない。この雑誌が90円で販売者の手元に来るというのは驚きだ。いろんな形でいろんな方々が支えているのだろう。
 記事はどれも読み応えがある。ちょっとしたクオリティマガジンといった趣だ。『タイム』や『ニューズウィーク』から、体制翼賛主義を引いたような雑誌といえば、当たらずといえども遠からずか。
 バックナンバーも欲しくなり、帰りに同じ場所を通ったときには、やはりまた、販売員はもういなかった。寒い中、何時間も立っているのはほんとに大変だし、仕方がない。
 あの、しゃんと背を伸ばして立ち、礼儀正しく、かつ、暖かみのある対応をしていた販売者を思う。ある種の思い入れを抜きにしても、その辺の店員など足元にも及ばぬ接客であった。