★「うるさいだけのタイヤ」
車のタイヤをオールシーズンのものに交換した。
前の車でさんざん雪道を走ったので、「もういいや」と思い、今の車はFFにしたし、スタッドレスに履き替える予定もなかった。
そもそも、一年のうち360日以上は雪道用のタイヤなど必要ない。どうかすると、365日必要ないかもしれない。
最近はどこも除雪が行き届いているので、「この冬一番の寒波」が来た直後とかでなければ、関西なら日本海側ですらスタッドレスタイヤは要らないことが多い。
そう思っていたところへ、これまで日本では人気のなかったオールシーズンタイヤが急に脚光を浴びているのが気になっていた。まあ、某メーカーのプロモーションが功を奏しているんだろうが、その宣伝を読めば読むほど自分にぴったりな気がしてきたのだ。
オールシーズンを履いていれば、冬用タイヤ規制もクリアできるという。
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行きつけのタイヤ屋に交換に行くと、珍しく社長がカウンターに座っていて、「なんでこのタイヤに決めはったん?」と聞く。
「滅多に雪道は走らないので、スタッドレスに履き替えるほどのこともないと思いまして」みたいに答えると、
「このタイヤで雪道なんか走ったらあきまへんで」と言う。
いや、走りますよ、というと話がややこしくなりそうなので、
「ええ、基本的には走りません」と言った上で、「でも、夏タイヤよりはマシでしょう?」と聞くと、
「そんなん、変わりませんよ。うるさいだけのタイヤや」とのご託宣。
えええっ。今さらそんなこと言われても・・・ それならそうと、見積を取った時点で言ってほしかった・・・とは、あんまり思わなかったので、抗議もしなかった。
注文を受けた店員が叱られるのも可哀相だし、私なりに熟慮(笑)を重ねた上での判断なのだ。
「最近はオールシーズンもよくなってきてるんじゃないんですか?」
「いや、そんなん、いっしょですわ」
まあ、実際どうなのかはわからない。春になったばかりだし、また冬になって雪が降ってくれないと試しようもない。そして、試して滑ったのではシャレにならない。
もともと、保険的な意味合いでこれにすることにしたこともあって、雪道性能にはそれほど期待していない。
それより気になるのは、ドライやウェット路面での性能である。なにせ、99%以上は、雪や氷と無縁の路面を走るのだ。
うるさいだけのタイヤ・・・
幸い、皮むきのために数十キロ走った段階では、それほどうるさいとは感じなかった。直進性も応答性も良好な気がする。
ステアリングがかなり軽くなったので、グリップがちょっと心配だが、これはたぶん、お店で空気圧を高くしすぎている影響が大きい。しばらくしたら適正値まで下げて様子を見よう。
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いずれにせよ、今さら何を言っても後の祭りである。「うるさいだけのタイヤ」だと思って性能には期待せず、より一層安全運転を心がけようと思う。