★次の10年の扉を

 今、これを書いている画面の右側には「ココログ10周年 10th Anniversary Issue」のロゴがある。

 このブログサービスが始まってから10年と少し、開始まもなく私がブログを始めてから今日でちょうど10年になる。
 管理画面を見ると、その間に書いた数は2220だそうだ。

 最初は、2004年の元旦を寿ぎ、有人動力飛行が新世紀を迎えたことを祝う趣旨の書き込みを行った。
 ライト兄弟が砂浜でわずか36メートルの飛行に成功してから、たった66年で人類は月に降り立っている。
 そして、100年経つと、私のような者でも動力飛行ができるようになった

 それから10年。

 たった66年で、大気中の36メートルから宇宙空間の38万キロ往復へと伸ばされた記録は、ここにきて華々しい成果からは遠ざかっているようにも見える。それでも、はやぶさがイトカワから砂埃を持ち帰ったりボイジャー1号が太陽圏外に出たりと、それなりの進展はあったようだ。

 思えば、10年前は facebooktwitter も LINE も、YouTube すらなかったのである。iPhone は影も形もなかったし、ブルーレイディスクデジタルカメラすらまだ黎明期を脱していなかった。ほとんどのテレビはまだブラウン管だっただろう。

 その意味では、世の中はちゃんと進んでいる。

 ひるがえって我が身を顧みると、私も家人もまったくもって相変わらずだ。
 10年前と同じ家に住み、同じ車に乗り、同じ仕事をしている。ほとんど何の変化も進歩もない。
 ただ、小学生だった息子は大学生になり、一応元気だった祖母は亡くなった

 祖母だけではない。何人かの惜しい方々を亡くした。しかも、祖母とは違い、まだこれからという年齢で。
 それを思えば、「相変わらず」であることがいかに「ありがたき」ことかわかる。

 ただ、相変わらず進歩はないが、老化の兆しだけはある。身体とともに、家も車もくたびれてきた。家は今年、最低限の外装リニューアルを行ったが、身体を新しくするすべは今のところない。
 そのうち、老化も「兆し」ではなくなってくるだろう。

 ゆっくりと、次の10年の扉を開けようと思う。