●ワードで作成した縦書き書類の文字が重なる問題

 Mac版だけの問題なのかもしれないが、Microsoft Word の2004でも2008でも、日本語の文章を縦書きにすると文字が重なって表示・印刷され、ぐじゃぐじゃになってしまうことがある。
(解決方法をすぐ知りたい方は途中を読み飛ばして下さい)

 家人の環境ではほぼ必ず起こっていたのだが(起こらない時もあったけれど、原因を追究しなかったので理由はわからなかった)、自分の環境ではまったく起こったことがないので、これまであまり気にしないできた。それでなくても家人の仕事を手伝うことが多いので、必要があれば私がやればすむことだったからだ。
(したがって、「マック版ワードの縦書きは使えない」という一部で流布している言説は必ずしも正しくありません。私の環境では、動作が遅いことを除けば何の問題もなく使えています。)

 だが先日、何かのついでにふと思い立って、家人の環境特有のこの問題を解消したいと考えた。最初は画面表示の問題とかプリンタドライバの問題とかを考えたが、どうもフォントが問題であるらしいことがわかってきた。であれば、まずやることはフォントキャッシュのクリアである。だが、それをやってみても、ツールを使ってあらゆるキャッシュを消しても解決しない。
 たぶん、小一時間は格闘したと思う。ネットで調べても、結局すっきりとした回答は得られなかった。

 が、ごちゃごちゃやっているうちに、みごとめでたく解決したのでご報告したい。

 ●原因は、同じフォントが2重(以上?)にインストールされていることなので、それを解消してやればよい●。少なくとも、家人の環境ではそれで解決した。

 MacOS X になってから、システムのブラックボックス化が進んだが、特に問題なのは、同じ名前のフォルダが複数あることだ。「ライブラリ」なんてのが、いったいどこにいくつあるか、自分のパソコンに関して即座に言える人がどのぐらいいるだろう?

 システムの入った起動ディスクを開くと、そこに「ライブラリ」がある。その中に「Fonts」というフォルダがあり、中にフォントファイルが入っている。
 その「ライブラリ」と同じ階層に「ユーザ」というフォルダがあり、それを開くとアカウントの一覧が出る。たとえば自分のアカウントのフォルダを開くと、そこにまた「ライブラリ」というフォルダがあって、その中にも「Fonts」というフォルダがある。

 家人の場合、その2つの、階層の異なるまったく同じ名前の「Fonts」というフォルダの両方に同じフォントが入っていたことが原因であった。なぜそうなってしまったのかはわからない。
 ともかく、(問題のフォントがMS明朝とかだったので)、上の方の階層から消すわけにはいかないと判断し、●個人のアカウントの中にあるフォントファイルをゴミ箱に捨てると、それで解決した●。

 鈍い私でもわかるのは、上の方の階層にあるフォントはどのアカウントでログインしても使用可能で、個人のアカウントのフォルダにあるフォントは、そのアカウントでログインしないと使えないらしいということである。
 ワードの場合、縦書きの時に限って!、双方にフォントが存在すると両方を使ってしまい(アホである)、文字がダブって(しかもずれて)表示・印刷されるという「仕様」になっているらしい。

 Word 2008 for Mac のレビューなどを読むと、上に書いたぐじゃぐじゃ以外にも、句読点の位置や長音記号の方向が横書き状態のままで表示されてしまうという症状なども出ているようだ。これも原因は同じで症状の出方が違うだけらしく、フォントを削除すると治ってしまった。
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 もっとさっとスマートに、現象・解決法・原因だけを短く書いた方がお役に立つのかもしれませんが、こうやって随想的にぶつくさ言いたいがために書いているブログなので、ご寛恕をお願い致します。