●ものすごい心拍数

 病の徒然に、飼っている桜文鳥と戯れていた。

 今まで気にしたことがなかったのだが、自分の熱やら心拍やらが気になり、ふと思いついて文鳥を耳元に持っていくと、尋常ではない速さで脈を打っている。

 数えることなんてとてもできないぐらいだ。でも、よく聞いてみると、高速8ビートが繰り返されているようにも聞こえる。
 そこで、8ビートの数を数えてみることにした。

 時計を見ながら数えると、5秒間ですでに5回である。つまり、1秒間に8回、脈を打っているということになる。

 1分間では480回・・・

 もちろん、いい加減な数字だが、まあざっと500回。400〜600回の間ぐらいと見てもいいだろう。

 そんなすごい回数だったなんて、今日まで知らなかった。

 昔生物の授業で習ったように、鳥類の心臓はわれわれ哺乳類と同じく、2心房2心室のはずである。なぜ8ビートになるのかはわからないが(もしかすると大発見だったりして(笑))、同じ仕組みで人間の7〜8倍もの心拍数をこなしているということだ。

 すごい。
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 以前、『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)という本を読んだことがある。それによると、どの生物の心拍数もその一生涯では一定で、約20億回ぐらいだそうだ(記憶で書いてます)。
 だとすれば、この文鳥の寿命は、われわれの7〜8分の1となる。まあ10年といったところか。

(もしかすると、哺乳類だけで鳥類は入ってなかったかもしれない。それに、今計算してみると、人間は25億回ぐらいにはなるんだけど、まあいいや)

 ぜんぜん死にそうにないうちの文鳥も、生まれてからもうすぐ7年になるかと思う。高齢者なのだ。

 こんな小鳥にでも、先立たれたらそれなりのショックがあるだろうか。
 息子の大学受験のころ、ちょうど寿命に近づくのだが、直前になって死なれ、落ち込んで試験に失敗して浪人・・・みたいなことが今から心配だ(笑)
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 それにしても、本のことは知っていたのに、今日まで鳥の心拍数を数えることを思いつかなかったも不思議である。
 鳥見だって一応趣味なのに、一体何をしてるんだろう?