●マルタのやさしい刺繍

 うーん、渋い選択だ。オレもこんな映画を見るようになったか。

 第一、スイス映画だ。スイス映画なんて見るのは初めてかも。

 テーマは「夫に先立たれた高齢女性の生き甲斐」。それも、若き日の夢の実現という形である。

 自分の老後のことが射程内に見えてきたから・・・みたいに思われると心外である。法律が改正されれば息子が来年「成人」するかもしれないといっても、私自身、まだ30歳の気分なのだ(成長しないヤツなので)。

 それに、Wii Fit の「バランス年齢」は、ほぼ常に20代である。

 話が逸れた。

 旅行先として大好きなスイスの、あまり想像していなかった「田舎事情」が垣間見えたのは収穫だった。地味な映画かもしれないが、退屈せずに最後まで鑑賞することができる。

(Die Herbstzeitlosen, 2006 Switzerland)

※原題は「コルチカム」という花の名前らしく、花言葉は種々あるが「楽しい思い出」「悔いなき青春」「華やかな青春」「私の最良の日は過ぎた」「永遠」・・・ということらしい。なかなか含蓄のある題名ということになる(が、そんなこと、インターネットなしにわかる人がいるんだろうか)。