◆双眼狂ふたたび?

 バードウォッチング用に究極の双眼鏡を買って以来、新しい双眼鏡を買うことには興味をなくしていた。

 (と書いてから気づいた。あれから持ち歩き用にひとつ買ったんだった・・・)

 今日、双眼鏡選びのご質問をいただいたので、久しぶりにニコンのウェブサイトを見ていると、まったく知らない間に私に無断で(笑)新しい双眼鏡が発売されているのを発見した。
 テレビでもラジオでも新聞でも、およそ広告というものが一切ない商品なので、自分でアンテナを張っていないと情報が入ってこない。

 新製品は、その名もモナーク X。また、モナーク・テンと発音してしまいそうだ。OS XPSX も Kiss X2 も持っている身としてはそそられる。

 しかも、構造が何となくスワロフスキみたいになっているではないか(よく見たらぜんぜん違うのだが)。

 倍率も、8.5倍とか、名高いELシリーズを髣髴とさせる。

 まあ、何か真似しているみたいでイマイチな気もするけど。

 スワロフスキなんて高嶺の花(軽く20万円以上するのだ)という人たち(私)に、訴えかけるものを持った新製品である。おそらくは、そういう層を狙ってきたのだろう。

 これまでのモナークシリーズのネガを全てつぶしていい仕上がりになっていそうな期待が持てる。それに、まったくの新設計とおぼしき構造は、いかにも安心感がある。

 でも、双眼鏡に6万円とか出す人がどれぐらいいるんだろう? 逆に、スワロフスキを買いたいような人が、こっちに行くだろうか?

 私のような中途半端な男にはドンピシャなのだが、短くはない人生経験で学んだのは、中途半端なものを買う人は多くはないということである。売れるのは、安価な品と超高級品だ。

 まあ、他人のことはともかく、こういう中途半端な品がしっくりくる私は、果たしてこれを買うだろうか。

 買わない、と思う。

 いや、モナーク X のせいではない。車の修理に20万円近くかかったからだ。それに、もう、双眼鏡はたくさん持っている。

 モナーク X はきっと酸っぱいに違いない・・・